法律基礎知識

離婚について

成人しても養育費を受け取れる場合とは?

法律基礎知識/養育費

通常、養育費を受け取れるのは成人するまで。
調停や審判、判決でも、養育費の終期を「20歳の誕生日を迎える月まで」と定めることが圧倒的に多いです。

ただし、これにも例外があり、
20歳よりも短くなる場合、20歳を超えても養育費を受け取れる場合があります。

20歳より短くなるのは、例えば、子どもが高校を卒業してすぐに働き始めた場合。
そもそも、養育費というのは、自分で生活する力がない子どものためのものですので、
社会人として収入を得るようになれば、養育費を支払う必要性は消滅します。

では、20歳を超えて養育費を支払ってもらえるのはどのような場合でしょうか?

もっとも多いパターンは、学生の場合。
4年制の大学などに通っていて、20歳を超えても自力で生活する収入を得られないケースでは、22歳までの養育費が認められることがあります。
また、子どもに障害・病気があるなどの理由で、成人しても自立ができない場合にも、20歳以降の養育費支払義務が認められます。

もっとも、大学に行っていれば必ず22歳までになるというわけではなく、
養育費の支払者(父であることが多い)が大学進学を承諾しているかどうか、経済的余裕があり学費の負担が可能であるかどうか、親の学歴や職業、家庭環境など、いろいろな事情を考慮して決められます。

特に、養育費の支払者が大学進学を承諾しているかどうかが重要なファクターとされることが多く、
父親に相談なく勝手に大学に進学した場合には、養育費は20歳で打ち切られる可能性が高くなります。

学費に関しても同様の考え方が採られており、養育費支払者の承諾の有無がモノを言います。

子どもが小さいころに離婚して、父親と音信不通の期間が長く続いた場合などには、父親に相談せずに大学進学を決めることも多いように思います。
進学が決まってから、改めて大学にかかる費用が高いことを知り、父親にも負担をお願いしたいというお気持ちになる方もいらっしゃいます。

しかし、進学を決めてから話を持っていきますと、「進学を承諾していない」と主張され、支払いに応じてもらえないことになりかねません。
気持ちの面でも、「何の相談もなく、金銭の要求だけか」と思われてしまい、快く支払ってもらうことは困難になりますので、進路を決める段階から、父親と連絡を取り合い、相談しておくことが肝要だと思います。

子どもにとっても、父親と進路について話し合うことは有益であるはずです。
進路を決める段階で、思い切って父親と進路について意見を聞き、大学進学について承諾を得ておくことをお勧めいたします。

ただし、承諾がなくても、
親の経済状況に余裕があり、きょうだい全員が大学に進学しているなどの事情がある場合などには、明示的な承諾がなくても養育費の支払いが認められることもあります。

また、20歳以降の養育費については、成人しており、アルバイト収入を得ることも多いということで、19歳までの金額よりも減額されることが多いのでご注意ください。

 

当事務所では、女性弁護士が養育費に関するご相談をお受けしております。

どのようなことでも結構ですので、お気軽にご相談ください。

自分で離婚調停を申し立てたい方へ

法律基礎知識/離婚について

本日は、ご自分で調停を申し立てるにはどうしたらいいか?というお話をしたいと思います。
件数の多い離婚調停についてご説明しますが、基本的には他の種類の調停も同じです。
離婚の法律相談に来られる方からは、「弁護士を立てないと離婚調停はできないのですか?」という質問をよくお聞きしますが、もちろんご本人のみでも調停申立ては可能です。 調停は、基本的に裁判所の力を借りて当事者が話し合いを行うものなので、法律に詳しくない方でも利用しやすい制度だと言えます。

ご自身で調停を申し立てる場合には、
①申立書を書いて、
②添付書類を準備して、
③印紙と切手を買って、
④裁判所に提出しに行けば
完了です!

 

① 離婚調停の申立書

 

申立ての書式は、お近くの家庭裁判所に行って「用紙下さい!」と言えばもらえますし、ネット上でダウンロードすることもできます。

 

裁判所が提供している離婚調停の申立書書式及び記入例はこちらをクリックしてください。

調停申立書は、裁判所用と相手方送付用の2通を準備します。

調停申立書は、裁判所を通じて相手方に送付されますので、相手方に知られたくない住所や事情を記載しないように注意する必要があります。

裁判所に申立書以外の資料を提出する場合も、基本的には2部用意し、1部は裁判所に、1部は相手方に渡すという扱いになります。

したがって、例えば源泉徴収票に住所が記載されている場合などは、住所部分を黒塗りにしたコピーを提出します。

黒塗りにすると意味がなくなってしまう書類の場合は、非開示にしてほしいという申し出を行うことができますが、非開示にするかどうかは裁判所の判断となり、100%非開示が保障されるというわけではありません。

 

② 添付書類

申立書には、必ず戸籍謄本を添付します。

離婚と同時に年金分割を請求する場合には、「年金分割のための情報提供書」が必要です。
「年金分割のための情報提供書」は、厚生年金の場合は年金事務所にて申請しますが、その申請のためにも戸籍謄本が必要となりますので、年金分割を希望される方は、戸籍謄本を2通取り寄せておきましょう。

 

 

③ 費用

離婚調停申立てに必要な費用は収入印紙1200円分と、当事者に連絡するのに使う郵便切手代です。

郵便切手代は、大阪の場合は1000円程度ですが、82円が何枚、10円切手が何枚、というように内訳が決まっており、切手を購入して窓口に持参する必要がありますので、事前に裁判所に問い合わせてください。

裁判所内の売店等でセット済みの切手を販売している場合もあります。

 

④ 提出先

提出できる裁判所は、原則として「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」になりますのでご注意ください。

裁判所の手続は、当事者の住所によって、どこの裁判所を利用できるかが決まっています。

どこの裁判所になるか調べたい方はこちらをクリックしてください。裁判所のホームページに飛びます。

お互い、近くに住んでいる場合は問題ないのですが、遠隔地で別居している場合は、申立てをする人が、相手方の住所地まで出向く必要があり、交通費の負担が大きくなることがあります。

裁判所が遠い場合、申立書の提出は郵便でも可能です。

 

当事務所では、離婚調停を代理人としてお引き受けすることもできますし、ご相談だけを受けていただき、ご自分で調停を進めることも可能です。

ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

別居中の生活費は遡って請求できる?

その他/法律基礎知識/離婚について

今回は、何年も別居したままで離婚が成立しない場合、永遠に婚姻費用を請求し続けることができるのか?という問題について考えてみたいと思います。

別居が長いと婚姻費用が減ることがある

一般に、戸籍上の夫婦である限り、別居していたとしても、籍を抜くまでは婚姻費用の請求は可能とされています。

ただし、別居期間が長くなって、事実上婚姻関係が破綻している場合には、請求できる金額が少なくなるという考え方が主流で、家庭裁判所の審判でもそのような考え方に基づくものがあります。

しかし、具体的に、別居が何年になったらどの程度軽減されるのか、ということを示した基準はありません。

婚姻費用の金額は、当事者間で折り合いがつかなければ調停を申し立て、調停でも双方の協議がまとまらなければ裁判所が審判で金額を決定する、という流れになるのですが、最終的には裁判所の判断によって金額が決められることになります。

別居の原因も重視されている

婚姻関係が破綻していると認められる場合は、その原因がどちらにあったか?ということも重要視されていて、妻に全面的な責任がある場合には、妻の分の婚姻費用は請求できません。

その場合でも、子どもがいれば子どもの分の婚姻費用(つまり、養育費相当額)を受け取ることは可能です。 妻に全面的な責任がある場合とは、例えば、妻が不貞行為を行い、家を飛び出した場合などです。

ただし、破綻の直接的な原因のほかに、破綻に至る経緯や、関係を修復するために努力したかどうか、双方の経済能力など、さまざまな事情が考慮されますので、一見、妻に全面的な責任があるようにみえても、一定の婚姻費用分担が認められることもあります。

成人の子がいる場合

婚姻費用にカウントされるのは、自立した生活を送ることができない子どものみなので、成人に達した場合は、原則としてその子の婚姻費用を請求することはできません。

しかし、現実には、成人していても、病気や障害、あるいは就学などの理由で生活能力がないことがあります。 例えば、大学生の場合、親に経済力があり、大学進学を承諾している場合には、成人であってもその子の分を含めた婚姻費用を請求できると考えられています。

ただし、成人である以上、未成年者と同じ程度の金額になるわけではなく、アルバイト収入相当額を差し引くなどの修正が加えられます。

当事務所では、女性弁護士が離婚にまつわるさまざまなご相談をお受けしております。

ネットからのご相談も可能ですので、どうぞご利用ください。

別居中の夫が生活費を払ってくれない時

その他/法律基礎知識/離婚について

離婚を前提に別居している場合、収入の少ない方(妻であることが多い)から収入の多い方(夫であることが多い)に対する生活費の請求ができます。

生活費の請求のことを、法律的には「婚姻費用分担請求」と呼んでいます。

もちろん、離婚を前提とする別居に限らず、婚姻中であれば婚姻費用分担請求は可能です。

婚姻費用についても、裁判所が公表する「算定表」に基づいて決められるケースがほとんどです。

算定表の見方については、養育費と同じです。

なお、以下では、説明を分かりやすくするために、収入の少ない妻から収入の多い夫に対して婚姻費用を請求する場合を前提とします。

婚姻費用の基本的な考え方は下記のとおりです。

夫婦の基礎収入をもとに、妻が必要とする婚姻費用を算定し、そこから妻の基礎収入を差し引いて夫の負担分を出します。

 

計算方法

① まず、夫と妻双方の「基礎収入」を算出します。

基礎収入については、養育費の算定に関連して説明していますので、こちらをご参照ください。

② 夫の基礎収入と妻の基礎収入を合計します。

これを「世帯収入」といいます。

③ 「世帯収入」を「生活費の指数」で按分して、妻の婚姻費用を弾き出します。

「生活費の指数」についても、養育費の算定で説明しているのと同じです。

例  夫の基礎収入 300万円、  妻の基礎収入 100万円

妻が10歳の子と同居していて、夫に婚姻費用分担を求める場合

300万円+100万円=400万円

400万円×100+55/100+100+55=243万1373円… 妻の世帯が必要とする婚姻費用

④ ③で弾き出した「妻の世帯が必要とする婚姻費用」から、妻の基礎収入を差し引きます。   これが、夫に請求できる婚姻費用の額です。

③の例でいうと、

243万1373円-100万円=143万1373円(年額)

これが、夫が負担すべき婚姻費用となります。

以上の計算を簡略化したものが、婚姻費用算定表です。

 

婚姻費用算定表では、夫婦の収入がクロスする箇所をみると、婚姻費用の目安が分かるようになっています。
当事務所では、婚姻費用請求に関するご相談をお受けしております。

お気軽にご相談ください。

調停で相手と顔を合わせたくない

その他/法律基礎知識/離婚について

よくお受けする質問の一つに、「調停では相手と顔を合わせなければなりませんか?」というご質問があります。

離婚の調停では、待合室も別々、調停委員が話を聞くのも別々です。

まず、申立人だけが調停委員に話を聞いてもらい、申立人が席を外した後に相手方が入室するという形で、申立人と相手方が交互に調停委員と面談しますので、基本的に相手方と対峙する場面はありません。

話し合いがまとまって、調停条項の最終的な確認をする時だけは同席することもありますが、これも、どうしてもイヤだという場合には別々にしてもらえることがほとんどです。

特に、DV事案などでは、当事者同士が顔を合わせることでトラブルになる可能性がありますので、裁判所に事情を伝えれば、呼び出し時間や終了の時間をずらしたり、待合室を別の階や離れた場所にしたり、帰る際に通常とは違う経路を誘導してくれたりなどの配慮をしてもらえます。

そうは言っても、同じ時間帯に同じ場所にいるわけなので、鉢合わせの可能性は否定できません。

私は、過去に1度だけ、当事者が裁判所の中で偶然出会ってしまったという経験があります。

これはDV事案ではなかったのですが、鉢合わせした際に要求を飲むように迫られてご本人の恐怖心が非常に強くなり、どうしても相手方と同じ日に裁判所に行くことができなくなってしまいました。そのため、最終的には別々の日に調停期日を開いていただきました。

しかし、これは非常に稀なことだと思います。

相手に会うと身の危険を感じるというほどならば、一人で行動しないほうがいいと思います。親族や友人に付き添ってもらうか、調停段階から弁護士を依頼した上で、どこかで弁護士と待ち合わせをして、一緒に裁判所に向かうようにすることをお勧めします。

離婚後に受け取れる手当はいくら?

その他/法律基礎知識/離婚について

児童扶養手当(母子手当) 離婚後に受け取れる「母子手当」。
正式な名称は「児童扶養手当」と言い、現在では父子家庭も支給の対象になっています。

法律相談でも、児童扶養手当はいくらもらえるのでしょうか?というご質問をよくお聞きします。

とても気になるポイントだと思いますが、所得の額や税法上の扶養親族の数によって算定され、人によってかなりの幅があります。

児童扶養手当は、18歳になる年の年度末まで(=高校卒業時まで)支給されますが、障がいのある子どもの場合は20歳まで延長されます。

また、一定以上の所得がある方は受給できません。

この「所得」は、給与や営業所得だけではなく、これらに加えて、別れた夫(妻)からの養育費の8割がカウントされます。

なお、従来、公的年金を受給されている方には児童扶養手当は支給されていませんでしたが、平成26年12月より、年金額が児童扶養手当の額よりも低い場合は、差額分の児童扶養手当を受け取れるようになっています。

具体的な金額ですが、子ども1人の場合、全額支給の場合は42,000円。

一部支給の場合は9,910円から41,990円の間で、収入に応じて10円きざみで決定されます。

子どもが2人の場合は5000円加算、3人以上の場合は1人につき3000円加算となっています(加算額は全部支給でも一部支給でも同額)。

なお、以上の額は平成27年4月以降の額です。

 

児童手当との関係

児童扶養手当と似た名称のものとして、「児童手当」があります。

児童手当は、15歳になる年の年度末まで(=中学校卒業時まで)支給されるもので、ひとり親家庭でなくても支給対象になるのに対し、児童扶養手当はひとり親家庭の援助という意味合いで支給されるもので、上記のとおり支給は高校卒業時までです。

児童手当と児童扶養手当は、それぞれの要件に該当していれば両方受け取れます。

別居中に児童手当を受け取るには

その他/法律基礎知識/離婚について

離婚前にお子さんを連れて別居しているお母さんから、「夫が児童手当を渡してくれない」という訴えを聞くことがあります。

児童手当は、子どもを監護し、生計を同一にする父または母に支給されます。

父と母とどちらに支給されるかというと、所得の高い方に支給されます。現在、一般的に男性のほうが高収入であることが多いので、夫名義の口座に入金されるというケースが多いのです。

別居後もそのままの状態にしておくと、実際に子どもを育てているのは妻なのに、夫が児童手当を取りこんでしまうということが起こります。

このようなケースでは、以前は、夫が手続に協力しない限りは振込先を変えられない、という対応をされていたのですが、現在では、夫婦が別居していて離婚協議中の場合、児童手当の受給者を妻に変更することができるようになりました。

 

その際、妻が子どもと同居していることを証明するため、住民票上、妻と子が同世帯になっていることが必要とされています。

また、離婚協議中であることを証明する書類が必要です。

例えば、調停中の場合は、離婚調停の期日呼出状、事件係属証明書(家庭裁判所に申請すれば発行してもらえます)などです。

調停を申し立てていない場合は、離婚申入れの内容証明郵便の写しや、弁護士が作成した証明書(離婚について弁護士を依頼しているとき)でも受け付けてもらえるようです。

DV事案で、裁判所から保護命令が出されている場合などに関しては、住民票を移さずに児童手当の受給者を妻にできるケースがあります。また、DV事案では住民票の閲覧等に制限をかけて夫に新住所を知られないようにすることも可能です。お住まいの自治体に必要書類や要件をお問い合わせの上、お手続きください。

不貞行為を理由とした慰謝料の「相場」

慰謝料/法律基礎知識

離婚の原因が相手方の不貞行為にある場合、相手方に慰謝料を請求することができます。

一般的に、不貞行為の慰謝料の「相場」としては、「数十万から300万円の間」の金額を挙げる例が多いようです。

もちろん、不貞行為の内容によって金額は異なりますので、一概に比べることはできないと思いますが、現在では、不貞行為の慰謝料としては200万円程度が平均的な金額ではないでしょうか。

私は今年で弁護士登録20年目となりますが、弁護士になったころよりも慰謝料の金額が下がってきているという印象を持っていて、同じようなことが書かれた文献を目にしたこともあります。 以前は、平均300万円というイメージでした。

明治時代には、不貞行為は姦通罪という犯罪でした。

それが戦後に廃止され、民事上の不法行為に該当するにとどまることとなりましたが、さらに時代が流れ、不法行為としての違法性の程度も徐々に薄くなってきているのではないかと感じています。

家族の形が多様化し、「結婚」の意味が変化してきていることの一つの表れなのかもしれません。

諸外国では、そもそも不貞行為は不法行為には該当せず、浮気をされても慰謝料は発生しないと考えられている国もあります。

 

慰謝料を決める要素

不貞行為の慰謝料は、例えば交通事故の場合のような基準は存在せず、「総合的に判断して」決められる形となっています。

そのため、裁判まで持ち込んだ時に認定される金額を予想することは難しいのですが、過去の事例から、次のような項目が慰謝料の算定要素になると言われています。

 

① 不貞行為の期間、態様、程度

期間が長ければ長いほど、頻度が多ければ多いほど、増額する方向に傾きます。

不貞の具体的な内容も問題となります。

 

② 結婚期間、それまでの結婚生活の状況

結婚期間が長い場合、長年築いてきた結婚生活が壊されたとして増額事由になることがあります。

また、不貞行為以前の結婚生活の状況も、慰謝料を決める大きな要素です。

従来の結婚生活がきわめて良好であったのに不貞行為によって破綻した場合、不貞行為が結婚生活に与えた影響は甚大で、慰謝料の金額は大きくなる傾向があります。

これに対して、元々夫婦関係がうまく行っていなかった場合、特にその原因が慰謝料を請求する側にあった場合には、慰謝料は減額されるでしょう。

なお、婚姻関係が「うまく行っていない」という状況よりさらに進んで、「破綻した」と評価される状態に達していた場合、破綻後の不貞行為は、そもそも不法行為に該当せず、慰謝料は発生しないと考えられています。

 

③ 不貞を主導したのが誰か

不貞を主導したのが配偶者・不貞の相手方のいずれであっても金額には影響しないとする考え方もありますが、積極的に不貞を働きかけたかどうかを算定要素とする判例もあります。

 

④ その他

その他、不貞行為から発覚後の事情に至るまで、いろいろな事情が考慮されます。

例えば、不貞が発覚した際に嘘をつく、別れると約束した後にも関係を継続していた等の事情がある場合、謝罪もせず開き直っている場合などは、より悪質だと評価され、増額の要因になります。

夫婦間にお子さんがいて、お子さんが親の不貞を知って苦しんでいる場合、それを慰謝料の増額要素と捉える例もあります。

また、不貞行為により妊娠・出産という結果が生じた場合は、それ自体の精神的苦痛の度合いが高いことはもちろん、戸籍にも記載が残り、配偶者が子どもの養育義務を負うことにより被る影響が大きいので、慰謝料の増額事由に当たります。

 

当事務所では、女性弁護士が離婚をめぐるさまざまなご相談に応じております。

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「監護権」は私、「親権」は相手と分けることはできる??

法律基礎知識/親権

親権の中身

親権には、法律的に言いますと、大きく分けて「身上監護権」と「財産管理権」の二つが含まれると言われています。

 

まず、「身上監護権」。

これは、平たく言えば「子どもを育てる権利」のことです。

子どもに教育や医療などを受けさせ、子どもの住居を決めることができます。

また、子どもがアルバイトなどをする場合の許可を与えるのも親権者の役割です。

 

そして「財産管理権」とはその字のごとく、子どもの財産を管理する権利です。

子どもに財産なんてないから関係ない、という方もいるでしょうが、 例えば、万が一交通事故などに遭った場合、損害賠償金を請求することができるのは親権者に限られます。 また、子ども名義で銀行口座を開設することができるのも親権者のみです。

ちなみに、大阪府では高校の授業料無償化が実施されていますが、その条件の一つに、 「親権者全員が大阪府内に居住していること」 というものがあります。
例えば、東京在住の父が親権者になっているけれど、実際には大阪府内で母と居住している場合。 こんな場合には無償化の恩恵が受けられないことになってしまいます。

個人的には、こういうケースを何とか救済できないかと思いますが、親権の有無がこんなところにも響いてくるのです。

 

監護権の中身

監護権というのは、ザックリと言えば実際に子どもを養育する権利のことで、通常は親権者=監護権者となります。

しかし、民法上、親権者とは別に監護者を決めることができるという規定があり、親権者が父(母)、監護者が母(父)というように分けることがあります。

一般的には、監護者を決めた場合には、それは、上で説明した親権の内容のうちの、「身上監護権」を渡したことになる、と理解されています。

 

離婚の際、親権で揉めた挙句、妥協案として親権者と監護権者を分けるという形で決着しようとすることがあります。

しかし、上記の高校授業料の件に見られるように、実際の監護者が親権を持っていないといろいろな手続きをする上で不都合なことも多いので、やむを得ない理由がなければ親権者と監護権者を分けるべきではないと思います。

例えば、最近は高校の修学旅行が海外、という学校も珍しくありませんが、パスポートの申請は親権者に限られています。奨学金の申請も親権者の同意が必要です。 こんな場合はいちいち親権者に連絡を取って手続をしてもらう必要があります。

離婚後も元夫婦が密に連絡を取り合っていれば問題ないのですが、実際にはなかなか難しいことではないでしょうか。

 

また、戸籍謄本を取りますと「親権者」は明記されており一目瞭然ですが、監護権者に関しての記載はされません。

ただ単に子どもと一緒に暮らしているという場合、監護権者として定めたのかどうかがあいまいになり、のちに、親権者から「子どもを引き渡せ」と要求されるなどのトラブルが発生する可能性があります。

はっきりと監護権者として定めていれば、特に理由もないのに子どもの引き渡しを要求されるという心配はなくなります。

したがって、何らかの事情で監護権者を別に決める場合には、その旨の書面を残しておくことが必須です。

 

当事務所では、女性弁護士が離婚や親権に関するご相談に応じております。

メールによる無料相談もできますので、どうぞご利用ください。

親権は何を基準に決めるもの?

法律基礎知識/親権

今回は、親権を決める際にどんな事情が考慮されるか、ということについてお話したいと思います。

最終的には、さまざまな事情を総合判断する、ということになるのですが、いくつかの原則があります。

 

子どもの意思

 

まず、子どもが15歳以上の場合は、子どもの意思を聴くというルールがあります。これは、家事審判規則の規定に基づくもので、「子が満15歳以上であるときは、家庭裁判所は、親権者指定変更の審判をする前に、その子の陳述を聞かなければならない。」とされています。

もちろん、子どもの希望だけですべてが決まるわけではなく、そのほかの事情も考慮されますが、子どもの意思にはかなりのウエイトが置かれます。

そして、15歳以下であっても、子どもが自分の意見を言える年齢に達していれば、裁判所が何らかの形で子どもの意見を聴くことがほとんどです。具体的には、小学校3~4年生以上になれば、子どもの意見が調停や審判、訴訟手続きに反映されているのではないかと思います。

 

現状の尊重

 

親権に対するひとつの考え方として、「現在の状態が安定していて養育環境に問題がないなら、それを尊重しよう」というものがあり、過去に、このような考え方に基づいて親権を判断した裁判例も多くあります。

この考え方は、例えば、母親が子どもを連れて別居しているような場合、母子間での結びつきがすでに形成されているのに、あえて母子を引き離して子どもを不安定にするのは望ましくないという配慮に基づくものです。

 

 

兄弟姉妹は一緒に

 

兄弟姉妹がいる場合、基本的には引き離さず、同じ環境の中で一緒に養育するのが望ましいと考えられています。もっとも、必ず兄弟姉妹は同じ親権者にしなければならないというわけではなく、何らかの事情がある場合(子どもの意見が食い違う場合や、現に分かれて育てられている場合など)は、親権者が別々になることもあります。

 

母性優先

 

特に小さい子どもの場合には母親の役割が大きいことを理由に、乳幼児では基本的に親権者を母とすべき、とする考え方があります。

もちろん、母親が母親としての役割を果たしておらず、父親(あるいは祖母など)が母親代わりの役割を果たしている場合もありますので、必ず母親が親権者になるとは言えません。
以上、4つの原則についてお話しましたが、この他に、親権者を決める際には、
※ 子育ての環境(住居や同居者など)

※ 仕事等との兼ね合いで時間的に養育が可能なのかどうか

※ 親権者が心身ともに健康かどうか

※ 養育をサポートしてくれる人がいるかどうか

※ 他方の親との面会を上手にサポートできるか
など、さまざまな事情が考慮されます。

 

よく、女性の相談者の方から、「私は夫より収入や資産が少ないので親権を取れないのでは?」というご質問がありますが、収入や資産などの経済的な条件は、実はそれほど重要なファクターではありません。  経済力が劣っていても、養育費の支払いを含めて、子どもの養育に必要な生活を維持できるのであれば、親権者になることは可能です。

 

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