法律基礎知識

親権を決められない場合はどうなるか

離婚する時に親権者は必ず決定しておかなければならない

海外では、離婚後も、父母の両方が親権者のままという国がありますが、日本の現在の法律では、親権者はどちらか一方に決めなければならないことになっています。

離婚届を見たことがある方はご存じだと思いますが、親権を記入する欄があります。

ここが空欄になっていると、離婚届は受け付けてもらえません。

つまり、離婚と親権はセットになっていて、必ず離婚と同時に決めておかなければならない事項です。

離婚はしたけど、養育費のことは決めていない…というケースはざらにありますが、親権者は未定、という事態はあり得ないんですね。

 

協議で親権者が決められない場合は調停へ

当事者同士の話し合いで親権者を決めることができない場合は、家庭裁判所での調停に持ち込むことになります。

親権者を決めるポイントは、あくまでも子どもの目線。

子どもの立場から見て、どちらに養育を任せるのが子どものためになるのか?ということに尽きます。

つまり、子どもの年齢や心身の状況、今まで育ってきた環境、父あるいは母との結びつきの状況から見て、今後、どういう環境で育つのが望ましいのか、というところがポイントとなります。

現在、離婚後に母が親権を取るケースが約8割と言われていますが、母親の方が子どもとの結びつきが濃いケースが多いことから、このような結果になっているのはないかと思います。

 

 

調停でもお互いが譲らなければ訴訟へ

もっとも、調停はあくまでも話し合いをベースにしていて、強制力はありません。

夫婦ともに、どうしても自分が親権者になりたいと主張して譲らない場合は、調停は成り立たないので、打ち切りとなります。

これを、「調停不成立」「不調」と呼んでいます。

調停が不成立になると、手続きとしてはいったん終了になり、当事者のどちらかがアクションを起こさない限り、そのままの状態=法律的には結婚している状態が続きます。

どうしても離婚したい場合は、訴訟を提起することになります。

訴訟では、最終的には「判決」という形で、裁判官が親権者を決定します。

 

当事務所では、女性弁護士が親権についてのご相談に応じています。

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2016/10/04

法律基礎知識/親権