成年後見監督人がつくのはどんな場合でしょうか?

成年後見の申立てをした場合、申立人が希望していないのに「成年後見監督人」が選任されることがあります。

これに関連し、例えば、

「親が認知症になり、子どもが成年後見人になりたいとして申立てをした。

子どもが成年後見人になることは認められたが、それにプラスして監督人を付けると言われてしまった。

何か問題があったのかと不安なのですが、監督人とは何ですか?」

というご相談が時々あります。

 

成年後見監督人は、裁判所の判断で付けられるもので、後見人の財産管理にサポートが必要であると考えられる場合に選任されます。

よく見られるのは、預貯金の金額や収入の額が多い場合など、財産管理の規模が大きい場合です。

最近では、きちんと財産管理ができる方が後見人に選ばれていても、財産の額が大きいと一律に監督人を付ける傾向があります。

監督人には弁護士が選ばれることが多く、私も何件か監督人を担当しています。

なお、監督人には一切利害関係のない人物を選ばなければならないので、申立人が「この人にしてほしい」と指定することはできません。

 

他には、

後見人の体調や年齢などから、ご自身で財産目録を作ったり必要な事務手続きを行なうのに不安がある場合、

収入の変動が大きく、定期的に財産の確認が必要な場合

本人と後見人との間に、金銭の貸し借りなどがある場合

本人の財産状況が不明確な場合

遺産分割などが予定されていて、後見人と本人との間に利益相反がある場合

などの場合にも、監督人が選任されることがあります。

 

監督人を付けるかどうかは裁判所の裁量で、上に挙げた事情には該当しなくても、本人の利益を守るために必要だと判断されれば付けられることもあります。

ただし、成年後見監督人の選任決定には理由は記載されません。理由を知りたい場合には、裁判所に問い合わせて口頭での説明を受けることになります。

決定書に理由が書かれないこともあってか、「なぜ監督人が付けられたのか納得ができない」と反発されることがしばしばあります。

その結果、後見人である親族と、監督人とのコミュニケーションがスムースにいかないこともあるので、監督人の選任に際し、裁判所から何らかの説明があればベターだと感じています。

 

当事務所では、成年後見に関するご相談をお受けしております。

お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

自動車保険の弁護士費用特約について

皆さんの自動車保険には、弁護士費用特約が付いていますか?

これは、2000年に初めて登場したオプションだということですが、いまではすっかり一般的になりました。

当事務所でも、交通事故の件でご依頼を受ける場合、保険を使われる方が多数派になっています。

 

自動車保険についている弁護士保険特約の中には、自動車による事故限定のものと、自動車事故の他に日常生活上の事故で被害を受けた場合にも使えるものとがあります。

日常生活上の事故とは、例えば、自転車に衝突されてケガをした場合や、マンションの上階からの水漏れで被害を受けた場合などです。

自動車事故の場合には、保険会社と連絡を取る過程で、弁護士費用特約が使えることに気が付くケースが多いようですが、日常生活上の事故ですと、特約があることをすっかり忘れてしまっている場合もあります。

なんらかの事故で被害を受けて、弁護士に相談してみようかな、とお考えの方は、一度、ご加入の保険をご確認下さい。

なお、保険を使う場合、通常、保険会社の指定した弁護士でなければならないということはなく、ご自身で自由に弁護士を選定することができます。

 

以上の自動車保険の弁護士費用特約に対して、2013年より、弁護士費用をメインに据えた保険が発売されています。

日本では、このような保険を取り扱っているのは「プリベント少額短期保険株式会社」の「Mikata」という商品のみだということですが、今後、他の保険会社でも取り扱うようになるかもしれません。

 

「Mikata」では、自動車事故や日常生活上の事故に限定されず、離婚や相続、職場のトラブルなど、広く民事事件一般について、弁護士費用が支払われます。

対象となる法律事務所は一切限定されず、全国どこの法律事務所でもOKとのこと。

 

こういう保険に入っていたら万が一の時も安心ですが、保険料はいったいいくらなんでしょうね。

プリベントのホームページによれば、保険料は月額2,980円(変更される可能性もあり)。

年間約3.6万ですね。これを相当とみるか、高いとみるか…

なお、この保険は個人が対象で、法人は加入できません。また、個人であっても、事業活動上のトラブルの場合は法律相談料のみが支払われるとのことです。

 

以上の内容を含め、詳しい条件がプリベントのホームページに載っていましたので、加入を検討される方は、こちらをすみずみまでよく読んでみることをおススメします。