法律基礎知識

離婚の話し合いが進まないとき

離婚の話の進め方

 

離婚を切り出したが、相手が応じなくて困っている。非常に多いご相談です。

 

当事者での話し合いがどうしても難しい場合、

① 弁護士などの第三者を間に入れて話し合いをする

② 調停を申し立てる

のいずれかの方法を採ることになります。

調停でも解決できない場合は、訴訟を提起します。

 

つまり、離婚に関しては、

① 第1段階  当事者間での話し合い

② 第2段階  第三者(弁護士)を入れての話し合い(示談交渉)

③ 第3段階  調停

④ 第4段階  訴訟(裁判)

という4つの段階があります。

このうち、①と②は必ず行わなければならないものではなく、事前の話し合いが難しい場合は、直接③の調停を申し立てることも可能です。これに対して、調停を飛ばして訴訟を行うことは原則不可で、まずは調停を申し立てなければなりません。

 

示談交渉のメリット・デメリット

 

では、「第1段階」がうまくいかない場合、弁護士に示談交渉を依頼した方がいいのか(第2段階)、それは飛ばして調停を申し立てた方がいいのか(第3段階)。

 

調停の場合、申立ての約1か月後に第1回目の期日が入り、その後も概ね月に1回のペースで開かれることが多いので、解決までにそれなりの時間がかかります。また、期日のたびに裁判所まで出向く必要があります。

なお、訴訟事件などで弁護士を代理人として依頼した場合は代理人のみの出席でも問題ないのですが、離婚調停の場合には原則としてご本人も代理人とともに出席していただきます。

 

これに対し、弁護士に示談交渉を依頼する場合は、弁護士が面談、書面、電話など適宜の方法で、相手方と直接連絡を取って話し合いをしますので、よりテンポよく話し合いを進めることができます。相手方次第ですが、交渉がうまく進めば、かなりスピーディに解決できます。 もちろん、裁判所に行く必要もありません。

 

示談交渉を弁護士に依頼した場合のデメリットとしては、弁護士費用がかかること。 また、弁護士が間に入っても合意に至らない場合は、次の段階として調停を申し立てることになりますので、逆に解決までに時間がかかることもあります。

通常、弁護士費用(着手金)は、「示談交渉事件=第2段階」と「調停=第3段階」と分けて設定されていることが多いので、交渉が決裂して調停に移行すると、それだけ費用を要しますし、時間もかかります。

また、示談交渉の結果として合意が成立した場合、強制執行をする効力を持たせるには、別途「公正証書」を作成する必要があります(費用がかかります)。

 

示談交渉をお勧めできるのは、

① 示談交渉で解決できる見込みがある

② 時間的・地理的な事情その他の理由により、裁判所に通うのが難しい

③ 多少費用がかかってもやむを得ない

というケースです。

 

相手方にも弁護士が代理人として付いている(あるいは付ける可能性が大きい)場合は、弁護士同士の話し合いでスピーディに解決できる確率が高いです。

離婚そのものに納得していない場合、親権を争っている場合、感情的な対立が激しい場合などは、弁護士が間に入って話し合うよりも、直接調停を申し立てた方がよい場合が多いと思われます。

 

 

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2016/09/27

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