法律基礎知識

個人再生手続において滞納家賃がある場合

現在お住まいの住居、もしくは事業で使っている店舗棟の家賃を滞納している場合、

家賃を支払わないと退去しなければならないので、家賃だけ先に支払ってもいいですか?という質問を受けることがあります。

結論から言うと、家賃を優先して払うことはできません

なお、これはあくまでも過去の家賃を滞納している場合の話であり、

月々の家賃を遅れずに支払っている方は、再生手続きに入ってもそのまま家賃を支払って居住していただくことができます。

 

個人再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、すべて「再生債権」として扱われます。

家賃も例外ではなく、個人再生手続開始前の滞納家賃は「再生債権」になります。

再生債権は、再生計画に沿って弁済する必要があるため、家賃を特別扱いすることはできないのです。

 

ただし、事業用の物件の場合は、明渡をすると事業継続に著しい支障を来すという事情があり、かつ、滞納家賃の額が少額にとどまる場合には、裁判所の許可を得て弁済することができます。

単に、引越費用がかさむという理由では弁済は認められませんので、転居せざるを得ません。

ご家族などの第三者が代わりに滞納家賃を支払うことは可能ですので、どうしても転居ができない場合はそのような方法をご検討ください。

もしくは、家主に了解してもらえる場合には、敷金・保証金を滞納家賃に充当してもらうというやり方もありますが、なかなか了解を得られないことが多いと思います。

 

堺けやき法律事務所

弁護士 深堀 知子

 

2026/06/24

個人再生について