法律基礎知識

相続放棄をするときの注意点

例えば親が莫大な借金を遺して死亡した場合、そのまま放置していると子どもは借金を相続することになり、親に代わって返済しなければなりません。

そんな時は、相続放棄の手続きをすれば借金を支払う義務はなくなります。

ただし、借金だけを放棄するということはできず、プラスの財産もマイナスの財産もすべてを放棄することになります。
相続放棄を行う場合に注意していただきたい点が2つあります。

一つは、前回の記事にも書きましたが、期間が限定されていること。

原則として、相続開始を知った日(通常は死亡日)から3か月以内となります。
期間が過ぎてしまうと相続放棄はできないので、十分に注意しておく必要があります。

自分が亡くなった後に借金はどうなるのか?家族に迷惑を掛けることになるのか?というご質問をよく頂きます。
そういうご心配がある方は、ご家族に、「万が一のことがあった場合は、3か月以内に、必ず相続放棄の手続きをするように」と伝えておくことをお勧めします。

そしてもう一つは、遺産を処分してしまうと相続放棄はできなくなるということ。
例えば、預貯金を使った後に、借金があるからと言って相続放棄を行うことは認められていません。
また、財産の売却、建物の取り壊しなどもできません。

但し、
① 死亡したことを知らずに使ってしまった場合
② 処分した財産に価値がない場合

には、例外的に相続放棄をすることができます。
故人が使用していた衣類や身の回り品等は、通常、経済的な価値はほとんどないことが多く、いわゆる「形見分け」をしたとしても、相続放棄には影響しないと考えられます。

 

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2016/11/16

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