法律基礎知識

相手方と連絡が取れない場合の相続手続き

不動産や預貯金の相続手続きをしようとしたときに、相続人の中のひとりと連絡が取れず、どうにもならなくなることがあります。

このような時にどうしたらよいのか考えてみます。

 

【1】 相手方の住所は分かるが、返事をしてくれない場合

 

相手方が住んでいる場所が分かるときには、遺産分割の調停を申立てます。

直接の連絡には返事をくれなくても、裁判所からの呼出しであれば応じるというケースもあります。

裁判所の呼出しにすら返事をくれない時には、裁判所が「審判」という形で結論を出してくれます。

「審判」をもらうためには、住民票を提出するのはもちろんのこと、相手方の住所地まで行き、表札があるか、電気のメーターは回っているか、夜間に電気が付いているかなど、実際に住んでいるかどうかの調査を行い、確実に住んでいることを裁判所に報告しなければなりません。

 

【2】 相手方の住所が分からない場合

 

まずは、手を尽くして相手方の住所を調べます。

住民票を確認し、分かる限りの親族・友人・知人に連絡先を尋ねます。

しかし、それでもどうしても住所が分からない場合には、家庭裁判所に「不在者の財産管理人」の選任の申立てを行い、本人に代わって、財産管理人に遺産分割に参加してもらいます。

それによって、不動産の相続登記等が可能になりますが、財産管理人は、本人に不利な行動をすることができないので、必ず、法定相続分以上を取得する形での遺産分割を行わなければなりません。

不在者の財産管理人選任の手続は、遺産分割の手続とは別個のものであり、費用も別途発生します。

 

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堺けやき法律事務所 弁護士 深堀 知子

 

2017/06/19

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