法律基礎知識

成年後見等の申立ての取下げについて

成年後見(保佐、補助を含む)については、いったん申立てをすると簡単には取下げができません。

 

成年後見制度がスタートした当初は、他の家事事件と同様に成年後見等の申立てについても自由に取下げることが可能でした。

実際、私自身も、申立人が希望する人物が成年後見人に選任される見込みは薄いという理由で、取下げをしたことがありました。

しかし、今は、このような理由で取下げをすることは認められていません。

 

平成25年1月1日に、現行の「家事事件手続法」が施行されましたが、この法律には

後見開始等の申立てを取下げるには、裁判所の許可が必要」

という条文が入れられました(同法121条、133条、142条)。

 

そして、上に挙げたような、「自分が候補者に挙げた人物以外の人が後見人に選任される見通しになったから」という理由では、裁判所の許可は得られません。

この他に、「後見開始の申立てをしたのに、後見は認められず保佐開始の決定がなされる見通しになったから」とか、

「申立人が目論んでいたとおりに本人の財産を動かすことはできなさそうだから」

などという理由も認められません。

 

取下げが認められるのは、ご本人が亡くなられた場合など、やむを得ない事情があると考えられるケースのみです。

以上のように、一度後見の申立てをしますと、途中で取り止めることが大変難しい状況となります。

自分が後見人になるつもりで申立てをしても、それが認められず、まったくの第三者に財産管理を委ねることになる場合もあります。

しかも、成年後見人に選任された人物が不当であるとして異議申立てをすることも認められていません

※ 成年後見開始の審判そのものがおかしい!という場合は即時抗告という形で異議申立てが可能ですが、この人を成年後見人に選ばないでほしいという異議申立てはできません。

 

成年後見等の申立てをお考えの方は、その点もよくご理解の上、お手続きください。

 

当事務所では、成年後見等に関するご相談をお受けしております。

お気軽にご相談ください。

 

 

 

2016/11/24

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