法律基礎知識

年金分割のタイムリミット

離婚の際に、年金分割の手続をする方が非常に多くいらっしゃいますが、
年金分割には手続のタイムリミットがあり、これを過ぎると受け付けてもらえなくなります。

特に注意していただきたいのは、離婚を先行させて、後から年金分割の手続をする場合です。

年金分割の手続は、離婚成立後2年以内に行うことが決められています。
2年を過ぎると、年金分割をしてもらうことができなくなります。
2年という期間は長いようでいて、あっという間です。
離婚して時間が経つと、相手方と連絡を取ること自体が難しくなったりしますので、離婚から日を置かずにすぐに手続することをお勧めします。
相手方、または相手方の代理人(誰でも代理人になれます)が一緒に年金事務所に行けば、手続は簡単にできます。

問題は、相手方が年金分割の手続に協力してくれない場合です。
つまり、離婚は成立したけれど、相手方が年金分割を拒否して手続ができない場合、調停または審判を申立てることになります。

調停または審判には時間がかかりますので、結論が出る前に2年を経過してしまうことがあります。
その場合の救済策として、法律では、離婚から2年以内に調停または審判の申立てをしていれば、調停成立または審判確定が2年経過後であっても、年金分割の手続ができると定めています。
ただし、その場合の期限は、調停成立または審判確定の翌日から1か月以内なのです。

この1か月という期間は非常に短く、うっかりと経過してしまいがちです。
実際にも、せっかく調停や審判をしたのに、1か月以内に手続をせずに年金分割ができなかったという事例があるそうですので、十分気を付ける必要があります。

いずれにしても、年金分割を希望する方は、期限がギリギリにならないよう、離婚後すぐに行動を起こしたほうが賢明です。

2016/11/16

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